2020年の年始頃から、新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)が爆発的に流行したことで、日本人の除菌需要が高まり、アルコールや消毒液などが品薄になったことは記憶に新しいと思います。
除菌が日常的になり、最近では、エアコン掃除で消毒用アルコール(無水エタノール)を使用してカビや匂いを除去・予防できるという掃除術を披露している「家事」系のブログや動画サイト等で多くなりました。
しかし、キッチンやトイレや洗面所など水回りでの清掃ではアルコールは活躍することもありますが、エアコン掃除にアルコールを使用するとエアコンが故障したり火事の原因になったりする危険性が高いので絶対に使ってはいけません。
この記事では、エアコン掃除にアルコールを使用してはいけない理由と注意点を解説し、アルコールの代わりに使えるものや方法をご紹介して記事にしてまとめています。また、エアコン内部の清掃を素人がやるデメリットやプロに依頼するメリットなども解説していますので最後までぜひご覧ください。
エアコン掃除にアルコールを使ってはいけない理由
家の中の掃除や除菌で活躍する機会の多い「消毒用アルコール」ですが、実際にはエアコンメーカーのほとんどが使用しないように注意喚起を促しています。
ReLaLaシリーズを展開している家電メーカーの「CORONA」のHPにも下記のような注意書きがあります。
・エアコン室内機内部のお掃除に消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)を使うのは、火災や破損の原因にもなりますので、使用しないでください。
・室内機内部の洗浄は、必ずお買い上げの販売店またはお客様ご相談窓口に相談してください。
引用元:CORONA製品情報HP
なぜ、消毒用アルコールや次亜塩素系ナトリウムをエアコン掃除に使用してはならないのかの理由を解説していきます。
エアコンが故障・不調の原因になる
アルコールは、プラスチックやゴムなどの部品に対して強い腐食性を持っています。
アルコールでエアコンを掃除すると、これらの部品が劣化したり溶けたりして、故障や不調の原因となりエアコンの性能や寿命に影響を与える可能性があるのです。
特に、エアコンのフィルターやフィンなどは、細かい隙間が多く、アルコールが残りやすいため、アルコールでの掃除には注意が必要となります。
エアコンのフィルターは、空気中のほこりや花粉などを捕らえて清潔な空気を送り出す役割を果たしています。しかし、アルコールでフィルターを掃除すると、フィルターの繊維が傷んだり破れたりして、その機能が低下する可能性があります。
また、フィルターに残ったアルコールが発酵してカビや臭いの原因になることもあります。
エアコンのフィンは、冷媒と空気の熱交換を行って冷暖房効果を発揮する部分です。しかし、アルコールでフィンを掃除すると、フィンの表面が変色したり変形したりして、稼働効率が悪くなる可能性があります。
また、フィンに残ったアルコールが蒸発して冷媒に混入すると、冷媒の圧力や流量に影響を与えてエアコンの故障の原因になることもあります。
火災が起きる可能性がある
アルコールは、非常に引火性の高い液体です。エアコン掃除にアルコールを使うと、電気や火花などの熱源に触れて発火したり爆発したりする危険性があります。
特に、エアコンの電源を切っても内部に電気が残っている場合があるため、安全と思っても油断できません。また、エアコンから出る風でアルコールの蒸気が拡散して、周囲の熱源に引火する可能性もあります。
製品評価技術基盤機構(NITE)の注意喚起
独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」に通知された製品事故情報によると、2015年度から2019年度の5年間にエアコンの事故は合計263件発生し、うち火災が247件、死亡事故が6件(7名)でした。2020年度のエアコンの火災事故は2019年度に比べて17%増加しているとのことです。
□エアコンの内部洗浄の注意事項
○エアコンの内部洗浄は正しい知識を持った業者に依頼してください。購入先である販売店、メーカーのサービス窓口などに相談してください。
○エアコン内部の洗浄を行う際は、絶対に電気部品に洗浄液がかからないように注意してください。
○発火・破損のおそれがあるため、消毒用アルコールなどの可燃性の溶液や次亜塩素酸ナトリウムなど腐食性のある溶液で内部の掃除をするのはやめてください。
引用元:独立行政法人「製品評価技術基盤機構(NITE)」
上記のように、消毒用アルコールでのエアコン内部洗浄に注意喚起がされています。
また、実際にエアコン内部に洗浄液がかかりトラッキング現象で発火した際の検証動画もアップしています。
エアコンの火災が急増している原因の一つに、消毒用アルコールスプレーを使用した自分掃除が含まれますので、悲惨な事故を防ぐためにも、くれぐれもアルコールを使用しないようにご注意ください。
エアコン掃除でアルコールの代わりに使える安全な製品を紹介
エアコン内部の掃除に消毒用アルコールを使用するのは大変危険であるということが分かって頂けたかと思います。
では、何を使って掃除をすればよいのでしょうか。アルコールの代わりに使用できる安全なおすすめ製品をご紹介します。
- 市販のエアコンクリーナー
- 市販の洗剤
それぞれの詳細なポイントなどを解説していきます。
市販のエアコンクリーナーを使う
エアコンクリーナーとは、自分でエアコンの内部にたまった汚れやカビをキレイにするために使用するアイテムです。スプレータイプやカビ取りタイプなどさまざまな種類があります。
エアコンクリーナーは室内の快適な空気を作るためのアイテムであり、自宅で手軽にエアコンを掃除したいという方におすすめです。
エアコンクリーナーの選び方
エアコンクリーナーの選び方は、掃除したいパーツや成分、ノズルの長さなどによって異なります。
エアコンクリーナーにはムースタイプやジェットスプレータイプなどがあり、それぞれ特徴があります。
また、カビや汚れを除去するために強力な成分が含まれている場合もあるので、安全性や臭いもチェックするようにしましょう。
エアコンを使用する頻度の高いシーズン中の掃除する場合は、速乾性に優れたものを選ぶと便利ですよ。
エアコンクリーナーの使い方や注意点
一般的なエアコンクリーナーの使い方や注意点を解説します。
エアコンクリーナーを使用する際は、正しい手順や注意点を把握しておくことが大切です。
- 窓やドアを開けて換気をし、エアコンの電源を切る
- 床やエアコンの周りを養生シートなどで保護する
- カバーやフィルターを外してほこりを取り除く
- フィンやファンにクリーナーを吹きかけて一定時間放置
- 水洗いが必要な場合は、ホースや霧吹きでしっかりと洗い流す
- 全ての部品を乾かして元に戻す
- クリーナーの種類に合わせて正しい使い方をする
- 洗浄部分以外は養生シートなどでしっかりと保護する
- 水漏れやドレンホースのつまりに注意する
- 内部(電装部分)に洗浄液や水をかけない
現在、テレワークなどで家にいる時間が増えて、エアコンの使用頻度があがり、エアコン掃除の需要が高まっています。
そのため、エアコンクリーナーも多種多様な製品が登場していますので、ご自身の用途や目的に合わせて商品を購入しましょう。
市販の洗剤を使う
エアコン掃除では、専用のクリーナーだけでなく、家にある洗剤や重曹でも代用できます。
しかし、洗剤の種類によってはエアコンにダメージを与えたり、効果が薄かったりすることもあります。
ここでは、エアコン掃除に適した洗剤の種類やおすすめの市販洗剤、掃除方法と注意点をご紹介します。
エアコン掃除におすすめの洗剤
市販されていて、エアコン掃除におすすめの洗剤は下記となります。適切な使用箇所や汚れ具合もご紹介します
- 中性洗剤(万能タイプ)…エアコン表面、フィルター、前面パネル、ルーバー、吹き出し口
- 重曹(弱アルカリ性)…フィルター、タバコのヤニや油汚れ
- セスキ炭酸ソーダ…フィルター、タバコのヤニや油汚れ、頑固な黄ばみ汚れ
- 酸素系漂白剤…エアコン表面、フィルター、前面パネル、ルーバー、吹き出し口
- アルカリ電解水…エアコン表面、フィルター、前面パネル、ルーバー、吹き出し口
上記でご紹介した洗剤は、スーパーやドラッグストアなどで簡単に入手することができます。
それぞれの洗剤の詳細や、エアコンのパーツ別のお掃除方法などは、「エアコン掃除の洗剤は何を使えばいい?掃除方法も大公開!」の記事に記載がありますのでこちらもご参照いただければ幸いです。
エアコン内部の清掃はプロに依頼するのがベスト
エアコン掃除は、自分でやると大変なだけでなく、危険も伴います。
特に、アルコールを使用する場合は、前述したとおり火災のリスクが高まる上に故障や不調などの原因にもなります。
また、自分でやっても汚れやカビを完全に落とせるとは限らず、エアコンの性能が低下したり、故障したりする可能性があります。
結論としては、プロの業者にエアコン掃除を任せることがベストです。
プロの業者なら、専門の洗剤を使用し高圧洗浄機などのプロの道具を使って、短時間で丁寧に掃除してくれるだけでなく、エアコンの性能や寿命を延ばすことができます。
自分でエアコン掃除するデメリット
- 時間と労力がかかる
- 汚れやカビを完全に落とせない
- エアコンに傷をつけたり故障させたりするリスクがある
自分でエアコン掃除をするのには、さまざまなデメリットが生じる可能性があります。
時間と労力がかかる
エアコン掃除は、フィルターだけではなく、内部のファンや熱交換器などもきれいにしなければなりません。
これらの部品は、エアコンから取り外したり、分解したりする必要があります。
また、汚れやカビを落とすためには、専用の洗剤やブラシを使ってこすらなければなりません。
このように、エアコン掃除は手間がかかる作業です。一台あたりにかかる時間は約2時間と言われており、複数台ある場合はさらに時間が必要となり多大なる労力を必要とします。
汚れやカビを完全に落とせない
エアコン掃除を自分で行う場合は、見える部分だけではなく、見えない部分もしっかりと掃除することが大切です。
しかし、見えない部分は汚れやカビが溜まりやすく、自分で落とすのは困難でしょう。
特に熱交換器は細かい溝が多くありますが、これらの溝に詰まった汚れやカビを完全に落とすことは、素人にはほぼ不可能といえます。
汚れやカビが残ってしまうと、エアコンから悪臭が発生したり、健康被害を引き起こしたりする恐れがあるので注意が必要です。
もし、エアコンのカビにお悩みの場合は、「エアコンにカビが生える原因は?掃除方法や予防法の対策を解説!」の記事に、カビの掃除方法や対策が記載されておりますので、こちらも併せてご確認ください。
エアコンに傷をつけたり故障させたりするリスクがある
エアコン掃除を自分で行う場合は、エアコンの取扱説明書をよく読んでから行わなければなりません。
エアコンの部品はデリケートであり、間違った方法で取り外したり洗浄したりすると傷つけたり故障させたりする可能性があります。
水洗いした後は十分に乾燥させてから組み立て直さなければならず、乾燥不足だとショートして火災の原因にもなります。
また、消毒用アルコールを使用するなど間違った方法で掃除をすると、重大な事故や火災の原因になる可能性もありますので、大きなデメリットであるといえるでしょう。
プロの業者に頼むメリット
- 短時間で丁寧に掃除してもらえる
- エアコンの性能や寿命を向上させる
- アフターサービスや保証が充実している
プロの業者にエアコン掃除を頼むメリットはたくさんあります。この機会にエアコンクリーニングを検討されてみてはいかがでしょうか。
それぞれのメリットの詳細を解説していきます。
短時間で丁寧に掃除してもらえる
プロの業者にエアコン掃除を依頼すると、一台あたり約1時間程度と短時間で掃除が完了します。
プロの業者は、専用の機器や洗剤を使ってエアコンの内部を高圧洗浄します。これにより、見えない部分に溜まった汚れやカビもしっかりと落とすことができます。
また、プロの業者はエアコンの取り外しや組み立てもスムーズに行います。自分でやるよりも早くて丁寧な掃除ができるので、時間や労力を節約することができます。
エアコンの性能や寿命を向上させる
プロの業者がエアコン掃除をすることによって、エアコンの性能や寿命を向上させることができます。
汚れやカビが溜まっていると、エアコンは冷暖房効果が低下したり、消費電力が増加したりします。これがエアコンに負担をかけて故障しやすくなる原因となっています。
しかし、プロの業者によって汚れやカビが落とされると、エアコンは本来の性能を発揮します。冷暖房効果が高まり、消費電力も抑えられ、エアコンの寿命を延ばすことにもつながります。
アフターサービスや保証が充実している
プロの業者へエアコン掃除を依頼すると、ほとんどの業者はアフターサービスや保証が充実しています。
プロの業者は、掃除後にエアコンの動作確認や清掃状況報告書などを行ってくれます。
また、万一掃除中にエアコンに傷つけたり故障させたりした場合は、修理費用や交換費用などを負担する保証などが充実していることが多いです。このようにプロの業者は安心してエアコンクリーニングを任せることができます。
プロの業者にエアコン掃除を依頼した際の保証期間などの詳細は「エアコンクリーニング後の保証期間はどれくらい?気になる真実を解説」の記事で詳しく解説していますので、こちらもご確認してみてくださいね。
エアコンクリーニングでおすすめのプロ業者をご紹介
エアコン掃除(エアコンクリーニング)を自分でするデメリットとプロに依頼するメリットを感じていただいたところで、カジメモがおすすめするプロ業者をご紹介します。
- おまかせマイスター(ユアマイスター)
- おそうじ本舗
- くらしのマーケット
- 東京ガス(一都3県)
カジメモが自信を持っておすすめするエアコンクリーニングの業者が上記となります。
また、東京を含む一都三県で最近非常におすすめなのが「東京ガスのハウスクリーニング」で、大手企業の高品質サービスを安価で受けられると大変人気の業者となっていますので、東京近郊にお住まいの方はぜひ依頼してみてくださいね。
⇒東京ガスのエアコンクリーニングの評判・口コミは?実際に使って検証
⇒東京ガスのハウスクリーニングのお得な割引クーポンやキャンペーン情報
⇒東京ガスのハウスクリーニングでエアコン掃除を体験した感想レビュー
ここからは、全国展開しているカジメモおすすめの3業者の特徴などをご紹介していきます。
おまかせマイスター(ユアマイスター)
エアコンクリーニング料金相場 | おまかせマイスター | |
---|---|---|
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1台 | 約10,000~14,000円 | 8,800円 (業界最安値水準) |
2台 | 約20,000~25,000円 | 15,600円 (業界最安値水準) |
お掃除機能付きエアコン(税込) | ||
1台 | 約18,000~23,000円 | 13,800円 (業界最安値水準) |
2台 | 約36,000~43,000円 | 25,600円 (業界最安値水準) |
防カビ・抗菌コート(税込) | ||
約3,000円 | 2,420円 |
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2台 | 約20,000~25,000円 | 18,000~23,000円 |
お掃除機能付きエアコン(税込) | ||
1台 | 約18,000~23,000円 | 17,000~20,000円 |
2台 | 約36,000~43,000円 | 28,000~35,000円 |
防カビ・抗菌コート(税込) | ||
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まとめ:アルコールでエアコン内部は掃除しないように!プロの業者に依頼がおすすめ
今回の記事では、エアコン掃除に消毒用アルコールを使用するのは危険な理由と、アルコールに代わる商品の紹介、エアコン内部はプロにクリーニングしてもらうのがおすすめな理由などを解説してまとめましたが、いかがでしたでしょうか。
エアコン掃除は、自分でやると大変で危険な作業です。特に、アルコールを使って掃除する場合は、火災のリスクが高くなり大変危険です。
自分でやっても汚れやカビを完全に落とせるとは限らない上に、エアコンに傷をつけたり故障させたりする可能性もあります。
そこで、エアコンの内部清掃はプロの業者に任せクリーニングしてもらうのが非常におすすめです。プロの業者に頼むことで、短時間で丁寧に掃除してもらえるだけでなく、エアコンの性能や寿命を延ばすことができます。
自己判断でエアコン内部を掃除して、重大な事故や危険に直面しないように、プロの業者に依頼することをご検討されてみてください。
また、エアコンクリーニングをプロの業者に依頼する場合は「【最新】エアコン掃除業者比較!おすすめランキング&割引情報」の記事にもお得な情報が満載ですのでご確認ください。