冬にエアコンをメインの暖房器具として使っている家庭も増えてきていますが、乾燥対策は万全ですか?
あまりイメージが沸かないかもしれませんが、エアコンって実は暖房器具の中でも乾燥しやすい方なんです。
エアコンの暖房を使うなら乾燥肌の方は勿論、風邪やインフルエンザ予防にも加湿は必須となります。
今回はエアコンの暖房が乾燥しやすい理由や、冬の乾燥が原因で起こりやすいトラブル、乾燥対策としておすすめの加湿方法などをご紹介します。
エアコンは暖房器具の中でも乾燥しやすい



(ママ)
最初にも触れたように、エアコンは乾燥しやすい暖房器具です。
しかし、エアコンの暖房でなぜ部屋が乾燥してしまうのか、その理由は良くわからないという方も多いのではないでしょうか。
実はこれって身近な例に例えると結構単純な原理なんです。
エアコンの暖房で部屋が乾燥してしまう理由
エアコンの暖房は、部屋の空気を取り込み熱交換器で暖めて吹き出すという仕組みになっています。
冷房とは違い暖める過程で空気から水分は奪われませんので、エアコン暖房によって空気中の水分量自体は減少しません。
ではなぜ乾燥してしまうのかというと、空気の温度が上がると空気中に溶け込める水分の量が増えるからです。
例えばコーヒー粉は冷水よりもお湯の方が溶けやすいですが、それと同じことです。
暖まると空気の水分量が減らなくても乾燥を感じるようになる
空気の温度が上がると水分をより取り込めるようになったからといって、それがどうして乾燥したことになるのでしょう。
先ほどの例えを引き継ぐと、冷水に溶けきれず底に沈んだコーヒー粉も、そのまま暖めると綺麗に溶けていきますよね。
同じように暖まってより水分をより取り込めるようになると、まるで周りの物から溶け込むかのように自然と水分が空気中へ移動していきます。
私達が満員電車に乗っていて、隣の車両が空いたら移動したくなるようなものです。
そして水分はその場にいる人からも空気中へ移動するので、喉の調子が悪くなったり、肌がつっぱる・カサつく等乾燥を知覚するようになります。
エアコンの暖房自体が部屋の水分量を減らすことはないですが、こうした仕組みから人を乾燥させてしまう訳ですね。
湿度とは、単純な空気中の水分量を表さない
このように空気中の水分量が同じでも、温度によって人が乾燥を感じるか、湿っているように感じるかは変わってきます。
それなのに単純な空気中の水分量を湿度としていたら、温度に応じて適した湿度を覚える必要があるのでややこしくなってしまいますよね。
その為私たちが普段良く目にする湿度には、その時の温度で空気が保有できる水分量の何パーセントの水分が含まれているのかを表す「相対湿度」が使われています。
そして、先にお話ししたように暖かい空気程多くの水分を取り込めるので、部屋の空気の水分量が減らなくても温度が上がるだけで湿度は低下することになるのです。
他の暖房器具と比べてもエアコンが乾燥しやすいのはどうして?
エアコンの暖房で乾燥してしまう理由はお分かり頂けたかと思いますので、続いては他の暖房器具と比べても乾燥しやすい理由です。
まずひとつとしては、周囲を暖める暖房器具より部屋全体を暖める暖房器具の方が乾燥しやすいというのがあります。
空気を暖めると湿度が下がる訳ですから、暖房の効果が及ぶ範囲が大きい程乾燥しやすいという訳です。
では、他の部屋全体を暖める暖房器具と比べるとどうなのでしょうか。
実は石油ストーブなどの方が乾燥しにくい
部屋全体を暖める暖房器具としては、エアコンの他に石油ストーブやガスファンヒーターなどがありますね。
燃料を燃やして部屋を暖めるこれらは、エアコンよりも空気を乾燥させやすいと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、実は逆にエアコンの方が乾燥しやすい暖房器具なんです。
何故なら、燃料が燃えた際に出る排ガスに水蒸気が含まれているからです。
要するに燃料を燃やす暖房器具は、部屋を暖めると同時に多少の加湿効果もあるというわけです。
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冬の乾燥が原因で起こる様々なトラブル


(ママ)
エアコンの暖房が乾燥するのは分かったけど、別に加湿の必要性も感じないという方もいるかもしれません。
また、意識して加湿するのは面倒という方もいますよね。
しかし、冬の乾燥によるトラブルを知ってもそんな事が言えるでしょうか。
乾燥によるお肌や髪のトラブル
こちらはご存知の方も多いと思いますが、乾燥は美容の大敵です。
肌がつっぱったり、カサカサしてしまう、唇が荒れてしまう、髪がパサついてしまうなど、乾燥肌の方は特に悩まされている事でしょう。
スキンケアなどで対策している方も多いと思いますが、加えて冬場は加湿をすることでより肌への影響を減らすことができます。
喉の粘膜も弱ってしまう
乾燥した空気の中で呼吸することによって喉や鼻の粘膜が乾いてきて、様々な不調が出てしまいます。
喉のイガイガから始まり、炎症を起こしてしまったり、抵抗力が弱まって風邪を引きやすくなってしまいます。
乾燥した空気の中で長く過ごすと体調も崩しやすくなってしまうんですね。
インフルエンザなどのウイルスが活発になる
インフルエンザなどのウイルスは、低温や乾燥した空気が大好きです。
また、普段ウイルスには水分が含まれていますが、乾燥した空気によって水分が奪われ空気中に漂いやすくなってしまうのです。
先に空気が乾燥していると抵抗力が弱まる事に触れましたが、それに加えてウイルスが活発になるのが冬にインフルエンザが流行る原因というわけです。
インフルエンザはかかってしまうと他人に感染させやすい病気ですから、自分はかかっても大丈夫なんて言っていられません。
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冬にエアコンを使うならやっぱり加湿が大事


(ママ)
このように、冬の空気の乾燥は様々なトラブルの原因となってしまいます。
暖房による乾燥のトラブルを予防する為には、加湿による対策は必須と言えるでしょう。
石油ストーブを使った事がある人は、水を入れたヤカンを乗せて乾燥対策していた覚えがあると思います。
石油ストーブでも加湿の習慣が根付いたわけですから、それ以上に乾燥しやすいエアコンを使うなら、よりしっかり乾燥対策をしておきたいところです。
乾燥肌の方や冬に体調が崩れやすい方、抵抗力が弱い赤ちゃんなど小さいお子さんやご年配の方がいる家庭では特に気を付けたいですね。
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加湿するとエアコンの電気代も節約できる
蒸し暑い夏、同じ温度でも湿度が低い方が涼しく感じると聞いた事がある人は多いと思います。
これは冬でも同じで、湿度を上げると温度変化がなくても体感温度が上がって暖かくなったように感じます。
つまり、乾燥しやすい冬は加湿をすることによって、エアコン暖房の設定温度を普段より下げても快適に過ごせるようになるんです。
エアコンの暖房は電力の消費が多く、設定温度を数度下げるだけでも結構電気代が変わりますので、電気代を節約したい人にも加湿はおすすめです。
エアコン暖房の乾燥対策におすすめの加湿方法
続いては、エアコンの暖房を使用する際におすすめの加湿方法をご紹介します。
結構色んな加湿の方法があり、中には簡単にできる加湿方法もありますので、いくつか併用して意識的に加湿していくのがおすすめです。
加湿器を使う
真っ先に思い浮かぶのがこの方法ではないでしょうか。
加湿をするとなったら加湿器を使うのが今や定番ですよね。
定期的にタンクのお掃除をするのが面倒でなければ、おすすめの加湿方法です。
部屋に洗濯物や濡れたタオルを干す
これも、家事のついでに手軽で簡単に加湿できる方法としておすすめです。
洗濯物の部屋干しはにおいが気になるという方もいらっしゃると思いますが、エアコンや扇風機などの風を直接あてることで生乾きの嫌な臭いを予防することができます。
また、お風呂で使って濡れたバスタオルを加湿したい部屋に干しておくのも合理的ですね。
ファブリーズなどを使う
部屋のカーテンやベッド、カーペット、ソファなどに定期的にファブリーズのようなスプレー式消臭剤を吹きかけるという方は多いと思いますが、これは加湿効果も期待できます。
消臭剤を使いたくない場合、霧吹きに水を入れてカーテンなどに濡らし過ぎないよう吹きかけることでも同様の効果があります。
部屋の掃除は水拭きを
乾燥が気になる季節には、掃除の際に水拭きを積極的に採用してみましょう。
例えば普段フローリングのお掃除を掃除機だけで済ませていたなら、雑巾やウェットシートで拭くだけでも加湿効果が見込めます。
他にも窓拭きなど、水拭きできそうな所は水拭きするのがおすすめです。
お鍋を食べる
お鍋を食べると、鍋からの蒸気で加湿効果もあります。
冬のお鍋はただ美味しいだけでなくこういった合理的な面もありますので、乾燥を気にするなら是非積極的にやりましょう。
お湯で加湿
石油ストーブに水を入れたやかんを乗せて加湿する習慣があるように、お湯を沸かすだけでも加湿効果はあります。
ガスコンロで沸かし続けるのは危ないですので、沸いたら火を止めて放置したり、沸いたお湯をコップなどの器に入れて部屋に置いておくのもいいですね。
観葉植物を飾る
植物にはお水をあげますので、そこから空気中に少しずつ水分が蒸発していき加湿効果が見込めます。
また、植物は蒸散と言って葉っぱの裏から水蒸気を放出させますので、葉っぱの多い植物だとなお加湿効果が高まります。
加湿の際の注意点


(ママ)
最後に、加湿をするにあたっての注意点をご紹介します。
乾燥しているからといってただやみくもに加湿をしても、効果がなかったり、また別のトラブルを引き起こす恐れもあります。
窓の結露に注意
部屋の空気の湿度が高く、外気温が低いと窓に結露ができる事があります。
結露ができると単純に「ああ、ちゃんと加湿されてるんだな」と思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。
これって空気中の水分が窓に奪われているという事ですので、せっかく加湿しているそばから除湿されてしまっているという事でもあるんです。
勿論加湿し過ぎのしるしである場合もありますが、加湿しているはずなのに喉が痛いなど効果を感じない場合は窓が冷えすぎている証拠です。
そんな時は、雨戸やシャッターがあれば閉める、カーテンを厚手のものに変える、断熱シートを張るなどの対策方法があります。
定期的に換気をする
暖房を付けていると、部屋を冷やさない為なるべく外からの空気を遮断しがちです。
しかし、意識的に加湿をしていると今度は加湿し過ぎて結露やカビなどの問題が出てくる可能性があります。
これを防ぐ為に、暖房と加湿、それに時々換気もセットで行うようにしましょう。
なるべく換気をしたくない方も、加湿し過ぎたかなと感じた時はなるべく換気するようにして下さいね。
湿度計を設置する
積極的に加湿をしようとしても、どれくらい加湿するのが適度なのか分からない方も多いと思います。
実際に加湿が足りないとあまり意味がありませんし、逆に加湿し過ぎても今度はカビなどの恐れが出てきます。
そこで、湿度計がない方はこの機会に設置しておくことをおすすめします。
湿度が40%を下回るとウイルスが活発に、60%以上ではカビが発生しやすくなってしまいます。
適切な湿度は50%から60%とされておりますので、湿度計を見ながら加湿を加減していくのが理想ですね。
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エアコンの暖房による乾燥についてまとめ
- エアコンは暖房器具の中でも乾燥しやすい
- 何故なら部屋を暖めるだけで湿度は下がり、燃料を燃やす暖房器具は同時に加湿効果もあるから
- 冬の乾燥は、乾燥肌・喉の不調・インフルエンザなどのトラブルを引き起こす
- 暖房による乾燥のトラブル予防に加湿は必須
- 加湿のし過ぎも良くないので、時々換気し湿度計を見ながら加減しよう
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